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『 招きに応えて 』

マタイによる福音書22章1節〜14節

 ホルマン・ハントという画家が描いた「世の光」という絵があります。ヨハネ黙示録3:20「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう」を表現した絵だそうです。その絵には、戸を叩くイエス様が描かれているのですが、戸には、ノブが付いていないのです。つまり外側からは開けられないようになっているということです。これは、人間の心を描写していると言われます。人間の心というのは、内側からしか開けられない。たとえそれが、イエス様であろうとも、開くことはできない。そういうメッセージが込められています。

 本日の箇所で、イエス様は、天の国を王子様の結婚式にたとえて語っています。王様は、王子様のために、盛大な結婚式を計画されました。そして、そのために、たくさんの客を招待されました。しかし、いよいよ結婚式が始まるというのに、客は誰一人来ないというのです。ここには、神の招きを拒んだ人間の現実が語られています。人間は、神様の招きを何度も拒んできたのです。

 戸を開けることができるのは、私たちだけです。待っていても、戸は開かないのです。イエス様は、戸を叩いて待っておられます。救いの出来事は、すでに、私たちの外側で起こっている。そこに向かって、戸を開けるかどうかが、問われているのです。信じるとは、イエス様のノックに対して、心の扉を開くことでしょう。扉を開くとき、新しい世界が始まっていくのです。

(村田悦牧師)

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